USBメモリからの起動ができない場合

ここでは、インストール用USBメモリからの起動ができないケースの対策について説明します。

通常、インストール用USBメモリから起動するとまず以下のようなメッセージが表示されます。

_images/install_special1.png

ここでは、そもそもこのメッセージも表示されないケースを扱います。 このようなケースとして、主に以下の2つが考えられます。

  1. 他のOSのUSBのメモリからは起動できるのに、Chromium OSのインストール用USBメモリからは起動できないケース
  2. そもそもUSBメモリからのブートに対応していないケース

以下にそれぞれのケースでの対応方法を説明します。

Chromium OS用インストールUSBメモリからだけ起動できない

他のOSのインストール用USBメモリからの起動実績がある場合は、USBメモリのパーティション形式がMBR形式でないと起動できないマシンである可能性が考えられます。 Chromium OSのインストール用USBメモリはGPT形式というパーティション形式を採用しており、古いPCの場合はこの形式のUSBメモリを扱えないことがあります。 この場合は、MBR形式のインストールメディアを用意していますのでそちらを使用してください。

Attention

このMBR形式のインストールメディアには以下の制限があります。

  • ブートプロンプトでルートパーティションを指定しないと起動しない(かなり面倒です)
  • USBメモリから起動した後の内蔵ディスクへのインストール方法が特殊
  • 通常のインストールイメージよりサイズが大きい(8GB以上のUSBメモリが必要)

そのため、通常のUSBメモリ用インストールイメージが使えない場合だけこちらを使用することをおすすめします。

MBR形式のインストールイメージのダウンロード

MBR形式のインストールイメージは

ダウンロードページ

こちらのページの “USB Image (x86: MBR format): download” のリンクからダウンロードしてください。 USBメモリへの書き込み方法は インストールメディアの作成 をご覧ください。

Attention

MBR形式のインストールイメージを書き込むには8GB以上のUSBメモリが必要です。

MBR形式USBメモリからのインストール

ここではDell Inspiron 530を例にMBR形式のインストール用USBメモリからのインストール手順を説明します。

Attention

ここで使用しているDell Inspiron 530はグラフィックボードを置き換えているため、標準構成のものと画面の表示内容が異なることがあります。

  1. USBメモリを挿入して電源を投入します。

Attention

以下2と3は機種依存の操作になります。お使いのPCに応じてUSBメモリからブートするように操作してください。

  1. 起動画面が現れたらF12を押してBoot optionを表示します。
_images/install_mbr1.png

Note

Dell Inspiron 530で通常のインストール用USBメモリを使うと、この画面でハングアップします。

  1. USBメモリからの起動を選択します。
_images/install_mbr2.png
  1. 以下のブートプロンプトが表示されます。
boot:
  1. ブートプロンプトが表示されたら以下のように入力します。
boot: chromeos-usb.A root=/dev/sd?3

ここで、root=の後が/dev/sd?3となっていますが、?は小文字のアルファベット1文字で、a, b, c, d ,,, といろいろ試してうまく起動するものを探してください。Dell Inspiron 530の場合は/dev/sdb3になります。

  1. Enterを押すとブートが始まります。root=の指定が正しければ、以下のような表示があり、ハードウェアのチェックを行って一旦リブートしますので、再度2から5までの操作を行ってください。
_images/install_mbr5.png
  1. 2回めのブートでログイン画面が表示されるのでログインを行ってください。具体的な手順は、 一般的な方法 の6~13を参照してください。
  2. 一般的な方法 の14~16の操作を行って、USBメモリの装置名とインストール先ディスクの装置名を調べてください。17のinstallコマンドは使えませんので実行しないでください。
  3. shellと入力します。
_images/install_mbr6.png
  1. sudo suと入力します。パスワードを聞かれたら管理者用パスワード(デフォルトは password )を入力してください。
_images/install_mbr7.png
  1. 以下のコマンドを実行してください。
_images/install_mbr8.png

ここで、- -payload_imageには上記8.で調べたrootdevコマンドの結果の末尾の数字を4に変更したものを指定してください。rootdevの結果が/dev/sdb3ならここでは/dev/sdb4を指定します。 - -dstにインストール先の装置名を指定します。 Enterを押すとAre you sure (y/N) と聞いてくるのでyを入力するとインストールが始まります。

  1. インストールが終わると以下のように表示されますので、一度シャットダウンして、USBメモリを取り外して再起動すれば、内蔵ディスクにインストールしたChromium OSが(一度再起動してから)起動します。
_images/install_mbr9.png

USBメモリからの起動ができない時

そもそもBIOSがUSBメモリからのブートをサポートしていない場合でも、USBメモリ自体はBIOSに認識されている可能性があります。この場合はこちらで用意したインストール補助CDを併用することでうまくインストールできる可能性があります。 ここではその手順について説明します。

インストール補助CDイメージのダウンロード

インストール補助CDのイメージは以下のダウンロードページで配布しています。

ダウンロードページ

こちらのページの boot cd iso image: download のリンクからダウンロードしてください。

ダウンロードしたファイルは通常のISO形式のイメージファイルですので、お使いのライティングソフトを用いてCD-Rに書き込んでください。

Attention

このCDイメージはインストールメディアそのものではありません。別途 ダウンロード および インストールメディアの作成 の手順に従ってインストール用USBメモリを作成してください。CDとUSBメモリの2つを使ってインストールを行います。

インストール補助CDを用いたインストール

ここでは、Panasonic Let’s Note CF-W2を例に、インストール補助CDを用いたインストール手順を説明します。

  1. 前節で作成したインストール補助CDとインストール用USBメモリをPCにセットして電源を投入します。特にBIOSの設定を変えていなければCDドライブから起動が始まるはずですが、CDドライブから起動しない時は、お使いのPCのBIOS設定を見直してCDからブートするように設定を変更してください。

  2. CDからブートすると以下の画面になります。

    _images/install_cd1.png

    CF-W2の場合はこのままEnterを押せばUSBメモリから起動が始まります。ほかの機種では起動しない可能性があります。その場合は以下の手順で操作を行ってください。

  1. ‘e’を押します。以下の画面が表示されます。

    _images/install_cd2.png
  2. 真ん中あたりに set root=’(hd1,3)’ とあるので、このhd1の1を0, 2, 3,などに書き換えてみてください。書き換えたらF10を押すと、指定したパーティションを使用してブートを試みます。書き換えてもダメな場合は、残念ながらUSBメモリが認識されていないと思われます。

  1. 2.で指定したrootパーティションが正しければ、Chromium OSのスプラッシュ画面が表示された後、以下のように表示されてマシンが再起動し、再度2.の画面になりますので同様に操作してください。

    _images/install_cd3.png
  2. 2度目の起動でChromium OSのログイン画面が現れます。 以降の手順は通常と同じですので、一般的な方法 の6以降の手順に従ってインストールを行ってください。インストールが終わったら一度シャットダウンし、CDとUSBメモリを取り外して再起動すればインストールした内蔵ディスクからChromium OSが起動します。